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「わりと評判通りでさ。テクはあるしすげえ淫乱。でもやった後はあっさりしてて連絡先も教えないし、次会っても完全に素知らぬ顔。こっちに罪悪感与えないって意味では凄いやつだったのかも」
「ある意味伝説だよな」
「たぶんあいつのことは忘れられねえな。正直、顔は好みだったしさ」
「俺も、何年もしてあのイベント通ったなあって思い出す時、絶対あいつのことも思い出す気がする」
……俺には連絡先聞いてきたよ。何度も逢ってキスもセックスも、それ以上のこともしたよ。
吐くことは出来ない言葉達が喉を塞き止めて、身体の中が澱んでいく。
無邪気に笑いあう輪の中で俺一人が取り残されていた。
極彩色が溢れる夜の中で、俺だけが色を持てないまま。
何も見つけられずにいた。
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