#05

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 夜が開けて、パーティーも終わってしまった。  帰りにラーメンでも食べに行こうかと誘われたが、そんな気にはなれなくて1人帰ることにした。  外に出ると、朝になりきらない明るさの空。  カラスの鳴き声ばかりがうるさい。  道端にまかれた吐瀉物と塵を避けながら、駅に向かってふらつきながら歩く。  彼と出逢ってからは、こんな風景とも遠ざかっていたな。  見慣れた街に、彼だけがいない。
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