第1章

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水場には霊が集まると言われています。 その「水場」を作り出した、Sという青年の話をします。 ある学校に在校する、Sという青年が窓を眺めながらTという青年にポツリと呟きました。 S「知っているか?なぜ《ダルマさんが転んだ》とか《トイレの花子さん》とかの怖い話が出来た理由を」 T「急になんだよ・・・。確か、昔から水のある所には《霊》が集まりやすいってテレビでやってたぜ」 S「そう!《ダルマさんが転んだ》という話は風呂場限定だ。《トイレの花子さん》はトイレ限定だ。この2つの共通点は《水》なんだ」 そこへトイレに行こうとしていたHとGの足が止まる。 H「じゃあ《人間》もそうだろ?」 G「確かに人間の体は約70%を水分で占めている」 HとGが人がなぜ《霊》を見るのかという疑問の本質をついていた。 S「その通りだ。例えば人間1人の体重を60㎏とする。そうすると60㎏の内42㎏が水分だ。つまり1人で霊現象を起こすより、2人、3人と大人数で霊現象を起こせば《霊》が現れやすいということだ。ってことで今夜俺の家集合な!夜の10時!」 青年達は夏休みを目前としていて、気が緩んでいた。それがあんな《事件》になるなんて誰が予想出来ただろうか。 T、G、HがSの家の前にケータイをいじりながら待っていた。 S「ごめん!今親寝たから静かに入れよ」 かすかな声で皆に伝える。 T、G、H「おじゃましまーす」 皆かすかな声しか出せない。 T「結局何するの?」 S「俺の部屋の隅の机があるだろ、それ運んでくれ。」 静かに机を運び出す。 T「あとは?」 S「紙コップ持って来ただろ?」 T「あぁ、これをどうすんの?」 S「水を入れて来てくれ」 G「あぁ水なら持ってるよ」 Gは天然水をバッグから取り出した。 H「なぁコップに水入れて5分経つけど何も起こらねぇじゃん」 S「まぁ、水面をずっと見てればわかる」 皆はSを信じ続けた。 G「あっ!コップの中の水が波打ってる」 S「勿論地震なんか起こってねぇよ」 Sの部屋に皆が入った時は電気を点けてなかったから、皆の存在は声でしか認識出来ない状態だった。 その時、Gが大声を上げる。 G「あっ!Hがいねぇ!」 T「マジかよ!?Hどこいった?!」 S「落ち着け!みんな手を握れ!そうすればみんなの位置がわかる!」 Sが声とも言えない声を出してこういった。 S「なーんだ!みんな居るじゃん!驚かせんなよ!」 後日、Hが行方不明なことに気がついた。
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