4人が本棚に入れています
本棚に追加
水場には霊が集まると言われています。
その「水場」を作り出した、Sという青年の話をします。
ある学校に在校する、Sという青年が窓を眺めながらTという青年にポツリと呟きました。
S「知っているか?なぜ《ダルマさんが転んだ》とか《トイレの花子さん》とかの怖い話が出来た理由を」
T「急になんだよ・・・。確か、昔から水のある所には《霊》が集まりやすいってテレビでやってたぜ」
S「そう!《ダルマさんが転んだ》という話は風呂場限定だ。《トイレの花子さん》はトイレ限定だ。この2つの共通点は《水》なんだ」
そこへトイレに行こうとしていたHとGの足が止まる。
H「じゃあ《人間》もそうだろ?」
G「確かに人間の体は約70%を水分で占めている」
HとGが人がなぜ《霊》を見るのかという疑問の本質をついていた。
S「その通りだ。例えば人間1人の体重を60㎏とする。そうすると60㎏の内42㎏が水分だ。つまり1人で霊現象を起こすより、2人、3人と大人数で霊現象を起こせば《霊》が現れやすいということだ。ってことで今夜俺の家集合な!夜の10時!」
青年達は夏休みを目前としていて、気が緩んでいた。それがあんな《事件》になるなんて誰が予想出来ただろうか。
T、G、HがSの家の前にケータイをいじりながら待っていた。
S「ごめん!今親寝たから静かに入れよ」
かすかな声で皆に伝える。
T、G、H「おじゃましまーす」
皆かすかな声しか出せない。
T「結局何するの?」
S「俺の部屋の隅の机があるだろ、それ運んでくれ。」
静かに机を運び出す。
T「あとは?」
S「紙コップ持って来ただろ?」
T「あぁ、これをどうすんの?」
S「水を入れて来てくれ」
G「あぁ水なら持ってるよ」
Gは天然水をバッグから取り出した。
H「なぁコップに水入れて5分経つけど何も起こらねぇじゃん」
S「まぁ、水面をずっと見てればわかる」
皆はSを信じ続けた。
G「あっ!コップの中の水が波打ってる」
S「勿論地震なんか起こってねぇよ」
Sの部屋に皆が入った時は電気を点けてなかったから、皆の存在は声でしか認識出来ない状態だった。
その時、Gが大声を上げる。
G「あっ!Hがいねぇ!」
T「マジかよ!?Hどこいった?!」
S「落ち着け!みんな手を握れ!そうすればみんなの位置がわかる!」
Sが声とも言えない声を出してこういった。
S「なーんだ!みんな居るじゃん!驚かせんなよ!」
後日、Hが行方不明なことに気がついた。
最初のコメントを投稿しよう!