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私は隠遁生活している兼好法師の庵を訪れた。
山深い庵だった。
良寛さんの庵に似ていた。
兼好さんやって来ました。
美味しい酒を持参しました、今宵はじっくり
つれづれなる話を聴きたいものです。
『おう、こんなわびしい庵によくぞ起こし下さった。
では一杯頂きながら話すとしよう』
『つれづれわぶる人は、いかなる心ならむ。
まぎるるかたなく、ただひとりあるのみこそよけれ…』
「忙しい忙しいと走り回っていると、人から有能のように見られ、ゆったりと落ち着いていると、無能のように思われやすい。
そのために無能な人ほど忙しがってみせようとするばかりで、肝心のところをなおざりにしている。まあ、世の中の人はみんなこんなものだ」
なるほど、今の世にもあてはまりますね。
必要のない資料を机の上に積み上げたり、忙しそうに走り回っている人がいますから。
『それだ、わざわざ自分から主張しなくても、有能さは自然と回りに伝わるものなのだ』
ありがたいお言葉に感謝です。
「忙しい」と大騒ぎする人ほど、大したことはしていない。
「忙しい」を口にしないですね。
私達の会話は夜更けまで続いた。
合掌
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