それは、排他的ブルー

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「どこがつまらないんだよ」 「そのホラーだよ」 「俺のホラーのどこがつまらないんだ?夏といえばホラー。恐怖の旋律が圭介には分からないのか?」 「恐怖の旋律?恨み辛み妬み僻み・・・最終的にそんなものの塊だろ?」 「圭介は幽霊を信じていないんだ」 「幽霊?別に信じていないこともないけど」 「じゃあ、なんなんだよ」 「そんな話はどこかしらパターンが決まっていてつまらない。絵画の死霊や浮世絵の髑髏に幽霊・・・それを描いた画家の気持ちの方が知りたいよ」 「はいはい。圭介が言いたいのは、どうしてこの絵ができたのか?なぜこれを描いたのか?モチーフは?時代背景は?・・・圭介の頭の世界の方が俺にはホラーですよ」  会長さんは苦笑いをすると両手をあげた。
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