それは、排他的ブルー

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 本当は百物語をしようが、今から肝試しが始まろうが・・・正直、どうでもいい。  今日、この小さな入江に着いてからみんなが楽しく海で遊んでいる間もモチーフを探していた。  秋には市の展覧会に出展して入選したい。誰もが驚く世界を描きたい。  そんな気分でここに来たのに、どこにでもある小さな入江。どこにでもある小さな民宿。  夏の日差しは暑いだけ。波に運ばれる潮の香りは表現するには物足りない。  そんな場所でどこにでもあるような創作ホラーを聞いた所で鮮麗されるような世界からは程遠い。
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