それは、排他的ブルー

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「本当、圭介先輩って絵のこと以外はなぁんにも考えらんないんすね」  夜遅く、肝試しをするために俺たちは小さな民宿をあとにした。肝試しって言うよりは、殆ど夜の散歩に近い。五人づつダラダラと入江を歩き昼間食事をした海の家を一周して帰ってくる。  あんまりつまらなさそうだから俺は絵の道具を持ち歩いた。そんな俺を遠目に二年男子がそう言った。 「やぁね、男子は。そこがカッコ良いのに」 「カッコ良いって圭介先輩のこと理解できんの?」 「できなくてもカッコ良いならいいの」  別にお前らに理解されたいとも思わない。
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