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 穴をひたすらに掘って部屋を作る。そんな、単調な仕事をしているのにも関わらず達成感を感じてしまう。  まるで、蟻(あり)の様だった。作業をしていると仲間が語りかける。 (地上に人間がいるらしいぞ。) 口が無いので心を通わせる。この生物の会話方法のようだった。  俺は、そのまま作業を止めて仲間と共に地上へ向かった。  穴から顔を半分だけ出して人間の様子を観察した。  いつ見ても地球は青い。何故かそう感じた。  仲間は、語る。 (あいつらは、定期的に俺達の住む地上にやってくるんだ。)  心の中に響く声は、どこか楽しそうだった。 (姿を見せないのか?)  俺がそう訪ねると彼は、心に語りかける。 (俺達には、口がない。)  少し残念そうに呟かれた声は、寂しさに満ちていた。  人間は、なにか調べているようだった。作業を終えると宇宙船に乗り込んでいくようだった。  俺は、その姿を見てこのままじゃいけない。そう思い立ち地上に転がった石を投げた。  仲間に叱られたが、そんなことは関係ない。俺達は、人間に気づいてほしいんだ。抑えきれない気持ちから出た行動だった。  人間は、石を拾って不思議そうにしながら宇宙船に乗り込んでいった。  仲間の独りが語った。 (俺達は、夢を見ることが出来る。その時だけ、人間との交信や情報のやりとりをしている。)  仲間は、続けた。 (もしも、人間がテレパシーを使えるようになれば、我々との交流も夢だけじゃなくなる。だから、焦るな。)  俺は、青い地球を見つめた。いつか来る、人間との交流を願いながら。青い地球を見つめた。 
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