十一月八日昼休み前

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 チャイムが鳴り響く。  やっと四時限目の授業が終わった。 「じゃあ、今日はここまで。今日やったところは期末テストに出すからな」 「えー!」  皆の不満が教室の中に飛び交う。  私も同じ気持ちだった。 「ヒント出るだけありがたいと思え。ほら号令」 「きりーつ」  日直の掛け声に私は席を立つ。全員が立ったところで、日直がさらに声をかけた。 「礼。着席」  私は一礼してから座り、机の上を片付け始める。教科書とノートをしまい、代わりにカバンの中からお弁当を出した。それを持って、ドア側の自分の席から窓側の席に向かう。 「瑠璃子―。真琴―。お昼にしよ」  窓側一番後ろとその前の席は瑠璃子と真琴の席だ。瑠璃子と真琴はすでに机をくっ付け始めていた。私の分の席は瑠璃子の隣の席の八城君が机をくっ付けて用意してくれている。 「八城君いつもありがとね」 「おうよ」  八城君はお昼を別の場所で食べる。お昼ご飯が入っているであろうコンビニの袋を持って、私とすれ違いに教室を出て行った。 「腹減ったー」  真琴が机をくっ付け終わり、イスにドカッと座った。 「もう。お腹が空いた、だよ」  真琴の言葉遣いを注意しつつ瑠璃子もイスに座る。私もイスに座り、お弁当を机の上に置いて広げた。瑠璃子と真琴もお弁当の用意を終える。 「いただきまーす」  三人でお弁当を食べ始めた。 「テストまであとちょっとだね」 「うへー。昼飯の時ぐらいテストのこと忘れさせてくれよ瑠璃子」 「でも、あと二週間ちょいしかないよ。確か真琴ってテストが終わってすぐに大会があるからってテスト休みなくなったよね」  そういえば、一週間くらい前にテニス部の大会に出られることになってテスト休みがなくなったと、真琴は嬉しそうに話していた。邪魔になるからと髪を思いっきり短くするほど真琴はテニスが好きで、このまま放っておけば、テストの勉強をせずにテニスの練習ばかりして、まずいことになるのは私にも分かる。
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