第1章

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お母さんのお弁当 私のお母さんは、お父さんと同じくアニメ好きで旅行も好き。この間のボランティアは国外だったようです。何者だ。 一方、お弁当の方はというと、料理の腕はおそらく悪くない。しかしお母さん本人の味覚がおかしいようで、最後の味を整える工程でいつも失敗する。なので私が味見をする。 「これ中華?」 「サンドイッチの間に挟もうと思って」 という具合です。どうやらポテトサラダがエビチリに錬金されたようです。 お母さんの料理を身内の味見無しで作り上げると、必ず濃い味か全く別の味になる。お母さんに餃子を作らせるとほかの家庭とは別次元に部屋がニンニク臭くなります。 お母さんは懲りません。料理は凝ってますが。 そんな私のお母さんの一週間のお弁当記録を紹介します 月曜日 エビチリ、彩り野菜、ごはん(なぜか山椒) エマコメント「すごくシンプルでいいと思う。でもどうしてエビチリをお弁当に詰めたの?あとなんで山椒が入ってたの?間違えたの?」 火曜日。月曜日のコメントに反省してエビチリのような‘あん’を使った料理をお弁当に入れないことを約束。エマも一安心。 牛肉の時雨煮、レンコンとこんにゃくの土佐煮、南瓜の煮付け エマコメント「お母さん煮物ハマったの?今月のガス代半端ないよ?」 水曜日。お母さんの煮物シリーズは夕飯にも出てきました。 鶏そぼろ、ほうれん草の胡麻和え、レンコンのきんぴら エマコメント「おいしくて栄養のバランスもばっちりでした。でもなぜかニンニクとおからが混ざった濃いにおいが教室に充満していました」 木曜日。家に帰ったら、案の定キッチンがニンニクとおから臭かったです。 広島焼き エマコメント「どうしてこうなった」 金曜日。ふつう鉄板物はお弁当に入れないと伝えたところ、お母さんは意気込んで「じゃあ初心に帰る」と豪語していた 目玉焼き、タコウインナー、申し訳程度のレタス、食パン エマコメント「どうしてこうなった」
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