第2章~新たな化身の降臨~

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地面へと叩き落とされた団右衛門は、地面に落ちた衝撃で頭を強く打ち、首の骨が折れ、内臓も破裂して、こと切れてしまっていた。 団右衛門を倒した澄心は、団右衛門配下の将兵たちを睨み付け。 「お前たちの大将は討ち取ったッ!仇討ちしたい者はかかってくるがいいッ!」 そう澄心は言い放ち更に。 「だが覚悟をしておけ。いくらお前らが束になってかかってきたとて私は倒せぬぞ」 そう澄心は続け、回りにいる団右衛門配下の将兵たちを、睨み付けながら見渡した。 そんな澄心に、団右衛門配下の将兵たちは、皆恐れをなして。 「あなん化け物に敵う訳がないッ!」 と、悲鳴を上げて、刀槍を投げ捨て、逃げ出したのである。 天神山と大岩山から部隊が逃げ出している、その報せは田上山の明智光秀本陣に入り、その内容に光秀は。 「新たな化身の降臨…」 と、呟いた。 そして団右衛門の死に本陣にいた、光秀や可児才蔵、塙安友は驚き、そして才蔵が。 「あの団右衛門殿が手も足もでないまま討ち取られるとは…」 と、団右衛門の強さを知る者にとって、団右衛門の死は衝撃であった。 そんな中、更に報せが入る、堂木山の薄田兼相隊と東野の伊勢衆部隊へも、鳳凰神の化身が移動して、両部隊は総崩れとの報せが入り、事、ここに至って光秀は余呉湖周辺から撤退を決断、軍勢を伊勢へと向けて撤退させたのである。 内中尾山に本陣を置く、徳川軍3万を率いる石川数正のもとに、明智軍の布陣する余呉湖周辺での報せが入る。 その報せを聞いた数正は。 「これが以前に儂のもとに伝えにきた鳳凰神が申していた鳳凰神の化身の降臨…」 そう呟き、そんな数正に再び、あの時と同じ声が聞こえ。 『鳳凰神の化身は降臨した。そしてお主が望みである於義伊と竹千代も必ず妖魔鬼神から助け出してやろう』 と、鳳凰神宇喜多直家は言い更に。 『それとお主たちを妖魔鬼神の妖力から解き放ってやろう』 そう続けた鳳凰神宇喜多直家は、妖魔鬼神の妖力によって、妖魔勢力となっていた徳川軍の者共を、妖魔鬼神の妖力から解き放ったのである。 そして鳳凰神宇喜多直家は。 『光秀が奪った美濃と尾張を制圧して於義伊と竹千代の事を待て。必ずや妖魔鬼神の魔の手から救い出してやる』 そう言って、数正の前から去っていた。
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