第2章~新たな化身の降臨~

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麻紀と別れた後、澄心は剛志が向かい、既に姿の見えなくなった廊下のカナタを、澄心は暫く見詰めた後。 (剛志さんは何か言おうとしていた様な…。何であろうか…?) そう思いながら、澄心は首を捻り、しかし深く考える事なく、澄心は剛志の側近の者に促され、あてがわれた部屋へと向かった。 夜が明けると、澄心は、まだ陽が昇る少し前、辺りが明るくなり始めた頃、寝床から起き上がり、部屋を出て御殿の中庭の近くまで来ると、中庭の方から激しい息づかいが聞こえた。 気になった澄心は、中庭へと向かうと、中庭で真哉が空手の1人稽古をしていた。 「朝早くから熱心ですね」 と、澄心が真哉に声をかけると、真哉は稽古の手を止め、澄心の方を振り返り。 「ああ。澄心さんか」 そう真哉は言い、これに澄心が。 「昨日。あんな事があったから心配していましたが。その様子だと大丈夫そうですね」 そう言うと、これに真哉は首を横に振り返り。 「いや。まだまだです。こんなんじゃ剛志の様な相手が出て来たら。昨日と同じ事になってしまう。俺に足りないものは剛志の様な気迫を持っていない事。今は無理でも何れは…」 そう真哉は言い、明るくなり始めた空を見上げていた。 そんな真哉に澄心が言う。 「剛志さんの様になるには相当の苦難が待ち受けていますね」 この澄心の言葉に真哉が。 「苦難は覚悟してます。剛志の様にならなければ…」 と、そこまで言うと、御殿の中庭へと繋がる廊下の方から。 「男同士で朝早くから何をコソコソと話をしているの」 という聞き覚えのある声が聞こえ、真哉と澄心は、その声が聞こえた方へと振り返り。 「野村」 「野村さん」 と、真哉と澄心は同時に言った。 そう声の主は麻紀であり、麻紀は中庭へと降りて、真哉の方へと歩みを進め、真哉の顔を覗き込み、暫く真哉の顔を見詰め、これに真哉が。 「なっ何だよ」 と、照れながら言うと、これに麻紀が。 「大丈夫そうだね。昨日の事があったから心配してたけど…」 そう言うと、これに真哉は麻紀と澄心を交互に見て。 「たくッ。何だよ2人とも同じ事を俺に聞いてさッ。クヨクヨしたってあれが今の俺と剛志さんの差なんだからよッ」 そう真哉は言いプイッと、真哉はソッポを向いてしまった。
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