保健の先生

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「私をナメてると、痛い目に合います…よ!」 冥の身のこなし、薙刀の扱い… どこをとっても「慣れてる」としか 言えないっ…! 「…あら?相当慣れているようね…」 「当然よ。私の家は、父が剣道師範 母が薙刀師範代の武術一家の家系。 幼き頃から、かなり仕込まれましたからね」 その冥の素早い攻撃をかわす ウェンディもまた然(さ)る者。 相当の修練を積んでいる事が、 僅かな攻防で甲斐間見える。 「かなりの身のこなし…デキるようね…」 「そっちこそ」 僕は授業の剣道しか分からないが、 振る・払う・突くの基本的な動作が 無駄な所作を伴わないで、 綺麗な全身の動きをしている! 武道というよりは、芸術に等しい! 「わたしは冥さんには武器を使わない つもりだったけど、そうはいかないみたいね」 「あら、手加減のつもり? それとも、私を傷つけないように 気遣っているつもりなのかしら? 本気で来て良いのよ。ウェンディ!」 「では、仕方ないわね…」 ウェンディは劇で使用する剣を 鞘から抜いた。 剣と言っても、劇で使用するので 模造刀(レプリカ・偽物)だと思った。
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