保健の先生

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「知ってる?『勝利の剣』の事を」 「あいにくね。 私は外国の話には興味が無いの」 「『勝利の剣』は北欧神話に登場する フレイが持つ『勝手に敵を倒し、所有者を 必ず勝利に導く』という伝説の武器。 わたしはリアリティを出すため、 質にはこだわって貰ったの。 こんな風にね」 とウェンディが言うと、 ウェンディは近くにあった ポール(鉄製)を斬った。 見事な斬りっぷりで、まるで 機械で切断したかのような切り口だ。 僕は知っている。 実は朝に教室で稽古をしていた時に、 ウェンディに剣を持たせて貰ったが、 とても女の僕では軽々と扱えるような 重量ではなかった。 重さで斬っているとは思うが、 ポールの切断面からいって、 剣にはかなりの鋭さがある。 新品のカッターナイフ並の鋭さだ。 「重いからって、良いモノじゃあないわ。 スピードを失っては、元も子もないの!」 冥の薙刀術もかなりの熟練だ。 刃先を目で追うのがやっとの速さだ。 加えて、本人の身体能力も優れている。 「重い?そうかしら?」 ウェンディの言葉通り、 軽々と剣を振り回している。
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