保健の先生

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ウェンディの「勝利の剣」はまるで 羽のように重さを感じさせない。 しかし、ウェンディは独学なのだろう。 剣を扱う事に関しては、 冥の薙刀術には及ばない。 力のウェンディ。 技の冥といった構図だ。 「…ねぇ、ナル君。 さっきから何、決闘(デュエル)に 見とれているのよ! ナル君が発端なんだから、 ナル君が止めなさいよっ!」 横やりを入れたのはアヤちゃんだ。 「アヤちゃんが止めれば良かっただろ!」 アヤちゃんは、朝にウェンディと冥を たった二言で、一触即発状態を止めた。 アヤちゃんの<タレント>を使えば このデュエルとやらを止めるのは 雑作では無いと軽く考えていた。 「決闘(デュエル)はそうはいかないの…」 決闘(デュエル)とは、 挑戦状を出して相手が承諾した、 <タレント>同士の試合の事を言う。 決闘(デュエル)は先生と言えども 止める事は禁じられており、 決着が着くまではお互いの承諾がないと 誰にも止められない。そうだ。 時には死人が出てしまうので、 「死合い」とも揶揄される。 生屠の自由が校則により、尊重されている。
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