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「わたしが止められたのは
<タレント>を使ったから…
<タレント>同士の決闘に
他の<タレント>が入る事は出来ない…
だから、発端であるナル君が
説得して決闘を止めるしか無いの…」
「そ…そうか…」
さっき「いいぞ、もっとやれ」とか
思ってしまった事を激しく後悔した。
頭は男で、体は女。
「男子の夢」とも呼ばれるくらい
理想的なシチュエーションだが、
仲の良い二人が「死」を賭けて
争う事までは想像していなかった。
今も目の前では、二人が互角の
「死合い」を演じている…
最悪の場合を想定すれば、
二人とも無事で済むはずがない。
また、冥の事は全然知らなかったが
武道に通じた家で忙しい毎日を
送っているようで、とても暇などはない。
こうして、クラスの人と劇を
演る事が出来るのも、激しい
部活勧誘を断ったから出来る事で、
本当なら、どこかの運動部に入って
全国レベルの汗を流しただろう…
イロイロな事が頭を交錯する。
ウェンディの事、ウェンディの家族の事、
冥の事、冥の家族の事、冥の…
「ナル君っ!!」
ウェンディの言葉が
微(かす)かに聞こえる…
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