妄想スライム

5/6
前へ
/6ページ
次へ
ドロリとしたものが、僕の体を包んだ。 擬態してたんだ。 か弱い芋虫がヘビを真似て危機を避けるように、強力な蟷螂が花弁に化けて獲物を狙うように。 コイツは、後者だ。 何も入っていない貯水槽を、見事に真似ていたんだ。 光の加減すらも、スライムは簡単に真似てしまうんだ。 ああ、全身が焼ける。 もう体は動かない。 きっと、僕の手足は骨になっているんだ。 きっと、内臓まで溶かされ始めているんだ。 きっと、僕の脳も溶かされ
/6ページ

最初のコメントを投稿しよう!

7人が本棚に入れています
本棚に追加