妄想スライム

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どれくらいの時間が経ったんだろう。 僕はあちらこちらの蛇口から、浴槽から、便器から、色んな所から出入りできるようになっていた。 きっと、僕はスライムに取り込まれたんだ。 スライムと一体化して、次に溶かしてしまう人間を探しているんだ。 退屈な人生かと思ったけど、苦痛があるわけでもない。 僕の姿を見て悲鳴を上げる人々の姿も、見ていて楽しい。 どこからか漂う腐敗臭が気になるけど、案外スライムとしての生活は、僕の好みに合っているのかもしれない。
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