254人が本棚に入れています
本棚に追加
今になって思う。
あの子の心を覗くこと。
その行為自体もしかしたら
非常に危険なことなんじゃないのかと――。
「……やめさせた方がいい」
いよいよ身体の自由が奪われてゆく。
己を支えて座っているのがやっとの僕に
「何を今さら?」
甘い吐息が問いかける。
髪を撫で回すシウォンの指に
翻弄されながら
「たしかに。何で今さら……だけど」
僕が洩らすのは自嘲気な苦笑い。
「取り込まれるのは君のお兄さんの方かもしれないぞ?」
最初のコメントを投稿しよう!