episode160 救世主

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「ふうん」 けだるげに指先を翻せば 韓紙ばりの美しい障子に 細い影がくっきりと伸びる。 狐の形を作ってみたり 蝶のようにひらひらさせたり。 しばらく子供みたいに その影で遊んでいた和樹は――。 「さあ、僕に心の内を見せてごらん」 そう言って半身起こしたジュンが 胸に手をやった途端。 「僕の心に……入ってくるなッ……!!」 今まで聞いたこともない大声を上げ 豹変した――。
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