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「ふうん」
けだるげに指先を翻せば
韓紙ばりの美しい障子に
細い影がくっきりと伸びる。
狐の形を作ってみたり
蝶のようにひらひらさせたり。
しばらく子供みたいに
その影で遊んでいた和樹は――。
「さあ、僕に心の内を見せてごらん」
そう言って半身起こしたジュンが
胸に手をやった途端。
「僕の心に……入ってくるなッ……!!」
今まで聞いたこともない大声を上げ
豹変した――。
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