episode160 救世主

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「早く!早く和樹を止めろ……!」 茫然と座り込むシウォンに向かって 僕は叫んだ。 「和樹!和樹っ……やめるんだ……!」 こんな時に 身動きできない身体がもどかしい。 そうこうしている間にも。 和樹は体重をかけるようにして ジュンの首を締め上げてゆく。 しかし 「ダメだ……できない」 見る間に血の気が失せてゆく兄を前にしても。 「どうしてっ……?!」 「できないんだ!」 なぜかシウォンは尻込みした。
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