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救いは――？
叩けば必ず門は開かれる。
昔教会でそんな説教を聞いた。
あの頃の僕はひどく単純で
無知に近かったとさえ言える。
救い主は
現れないこともある。
奪われるべきじゃない命が失われることがある。
だけど僕らはてぐすねひいて
失われる様を見ていることしかできないことがある。
心もまたしかり。
心が壊される様を黙って見ていることしかできないこともある。
それがこの世の慣わしだ。
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