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今の今
川から引き上げられたかのように。
「――助けて!」
半狂乱のオフィーリアは
肩で息をして飛び起きた。
「和樹……!」
だけどその腕がしがみつくのは
黒い韓服を着た見知らぬ男で。
「……和樹!」
僕がいくら名前を呼ぼうにも。
「催眠状態です。今あの子の世界にはジュン兄さんしかいないんだ」
シウォンの言葉通り。
僕の愛する漆黒の瞳は
ジュンの姿しか写さない。
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