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「涼介、おまえ……」
「お目覚めかい?役立たずの魔法使い。夜の便で飛んで来てよかったよ」
直に息を吹き返したジュンは
突然現れた友人を見上げてあからさま顔をしかめた。
「いいんだよ。初めからおまえたちに期待していたわけじゃない。ただ、この子の本性を目覚めさせてくれればそれでよかったんだ」
「どういうことだ……?」
屈折した瞳が
情けなく床を這う僕を見下ろす。
「九条さん、あなたには何の恨みもありません。ただ――オフィーリアは僕の永遠の恋人でね」
もしかしたら初めから
みんなこの男の仕掛けた罠――。
「少し貸してほしいんだ」
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