episode160 救世主

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しかし。 そんな和樹はすがるように 「助けて……」 彼の世界に現れた 唯一無二の救世主を見上げている。 従順で儚げな瞳。 いつもそんな瞳をしていたか? 幼子のように愛おしく 黒水晶のように美しい。 漆黒の瞳は――。 「……できるんでしょう?」 ただ真直ぐに ジュンだけを見つめている。 その眼差しの異様さに 他でもない僕が――。 もっと早く 気づくべきだったんだ。
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