254人が本棚に入れています
本棚に追加
しかし。
そんな和樹はすがるように
「助けて……」
彼の世界に現れた
唯一無二の救世主を見上げている。
従順で儚げな瞳。
いつもそんな瞳をしていたか?
幼子のように愛おしく
黒水晶のように美しい。
漆黒の瞳は――。
「……できるんでしょう?」
ただ真直ぐに
ジュンだけを見つめている。
その眼差しの異様さに
他でもない僕が――。
もっと早く
気づくべきだったんだ。
最初のコメントを投稿しよう!