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むかしむかし森の奥深くのその先に、一つのお城がありました。
お城には王様とお妃様と王子様が住んでいました。
王子様は国一番の勇者で、とても美しかったので、たくさんの人が恋をしましたが、王子様は自分より他に美しく素晴らしい者はいないと言って、誰にも見向きもしないのでした。
ところでこの国の南には世界で一番大きな国があって、気位の高いお姫様が住んでいました。美しい王子様に恋をしたお姫様は、貴方に情けをかけましょうと、お城へ来るよう遣いをやりました。
けれど王子様は言いました。
私は美しいものしか愛せない。ましてやそなたは醜いではないか。
怒ったお姫様は魔女に命令して、魔女は悪魔のような獣を差し向けました。
王子様も王様もお妃様も、兵士も従者も使用人も、みな獣に食い殺されてしまいました。
城は暗く深い森に覆われて、悪魔の獣はまだその城に────
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