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「やめなよ」
そこにさらに新しい声が混じった。自分のすぐ隣に誰かがいる。誰だろうかと横を向きたいのに、どうして首を動かすことができなかった。容貌は確認できず、その気配、その様子から味方なんだろうとは思うものの、こんな自分の味方になってくれる人間なんて一つも心当たりがなかった。
隣にいる”誰か”はしきりに相手を攻め立てる。どけよ、どっかいきなよ。ニヤニヤして一向に退こうとしない”はないちもんめ”に食い下がる。
ありがたいはずなのに、どうしてか辛かった。こんな無駄なことをする必要なんてないのだと叫びたかった。”はないちもんめ”も隣の誰かも、こんな私のことなんて無視してくれればいいのだ。私のことなんて――
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