第1章

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翌日彼女の病室に行ったら、彼女がいなかったから「どこにいるの?」ってメールした。けど返信が来ない。1時間くらい待っていた。痺れを切らして彼女に電話したんだ。 「こちらの番号は現在使われておりません。もしくは電波の届かない所に」そこで電話を切った。 僕は不安になってナースステーションに行って中年ナースに尋ねたんだ 「705室のあの子どこに行ったか知ってますか?」僕はバクバクなる心臓を静かにするように言った。 そうしたらオバさんがオバケを見たような目をしてこう言った。 「あの子に会ったのかい?」 僕はそれを聞いて10秒くらいボーっとしてた。ナースが何かを言いかけた時、僕は病院を抜け出して近くの公園のベンチに息切らしながら座っていた。 彼女はこの世のものではないのか? 俺は1年間も幽霊としゃべっていたのか? 俺は幽霊とキスして、SEXしたのか? 俺は・・・。俺は・・・。 って泣きながら考えていた。 そしたらある人達の話し声が聞こえた。 「私は旦那のだらしないとこが嫌い」 「私もそうだねぇ」 「だけど愛してる」 ある人のフレーズが頭をよぎる。 「愛とは好きな人の好きな部分と嫌いな部分を認めることだ」 僕は頭の中でこのフレーズを思い出した時にはもう落ち着いていた。 僕は今まで彼女の事が《好き》としか思ってなかったんだと思った。 彼女は幽霊なんだ。 だから君を愛している。 輝き続ける太陽を見ようとしたけど 太陽がにじんで見えた。 彼女は太陽。僕は月。 彼女を追いかけて、追いかけて僕は生き続けるよ! いつか《太陽》と《月》が交差するはずさ!って思いながら家路をとぼとぼ歩き始めた。 そして彼女がいるようでいない人生を歩き始めた。
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