第1話 あらすじ

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勇樹は瑠璃を連れ、山奥に足を運ぶ。その目的は、瑠璃を殺害することだった。二人は山の奥深くまで足を運ぶが、途中で夕飯を取ると、疲労のためそのまま眠ってしまう。 勇樹が再び目覚めると、夢のような白い世界が広がっており、店が1件だけ建っていた。店頭には小さなドールハウスが並べられていた。勇樹と瑠璃は、その店に足を踏み入れてしまう。 そこへ、店主である来夢が訪れ、勇樹と瑠璃の望む夢を見せてくれると言う。勇樹は半信半疑のまま、ドールハウスの小さな扉を開いた。 一度、意識を失った二人が目覚めると、童話『ヘンゼルトグレーテル』の世界が広がっていた。勇樹はその結末が、自分の望みと同じであることに気づき、様子を見ることにした。魔女と瑠璃、そして勇樹の三人の奇妙な生活が始まる。 そもそも、瑠璃殺害に考えが至ったのは、実の父が原因だった。勇樹と瑠璃は腹違いの兄弟であり、父は新しい家族のために勇樹を遠ざけていたのだ。勇樹は親戚中に厄介者扱いされていたが、瑠璃は家族で幸せな暮らしている。その事実を知り、妬み、瑠璃を殺すことで、再び父が自分を必要としてくれると思っていた。しかし、魔女と瑠璃との暮らしは勇樹の頑なな心を溶かし、いつしか本当の家族のようになっていく。 だが、童話の内容から、それが長く続かないことを知っている勇樹は、瑠璃と共に脱出を試みるが失敗。逃げ出すタイミングを伺っていると、勇樹は魔女が実の母親だと気づく。 勇樹がその事実を口にしようとした時、瑠璃が魔女を刺殺してしまう。魔女は命を落し、勇樹は瑠璃を殺害。 元の世界に戻った勇樹は、すべてが自分の望んだ、成れの果ての結果であることに後悔ばかりが募り、命を絶とうと決心。 しかし、すべては瑠璃の母の思惑通りであり、証拠隠滅のため勇樹は命を奪われてしまう。 天国で再開を果たすことを望んだ勇気樹だったが、その魂は、代価として来夢のドールハウスに、閉じ込められてしまうのだった。
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