第11章

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「歳、骨はどうだ 骨をやられてたらもう、刀を握れん」 「医者じゃねえからわからん ちょっと黙って寝てろよ すぐ医者がくる」 苦痛に耐えているうちに熱が出てきたのか、譫言を繰り返す近藤を寝かせた。 医者が診たところ、肩甲骨にヒビが入っている。 弾が肩の肉の中で砕け肉をズタズタにしていて血が中々止まらない。 夜通し布を取り替えた。 「骨が無事なら大したことはない 歳、少し新撰組を頼む」 熱にうなされながらも近藤は土方へ新撰組の指揮を渡した。 「わかった」 これで済むのは二人の仲ゆえである。 しかし物も食えず水を口にするのが精一杯のような状態が続き傷も膿み始めている。 そんな時、将軍慶喜から大阪へ来て療養しろと来た。 大阪には松本良順がいる。 近藤とも懇意にしているし、なにより松本はこの時代の名医である。 「大したものだな、将軍から見舞いをもらい、お抱えの医者に診せてくださるとは 丁度いい、総司と一緒によくよく診てもらえ」 こうして近藤と沖田は大阪で療養。 土方が新撰組局長代理として率いることとなる。 この時土方は、いや近藤も幕府もまだ盛り返せると思っていた。 時代の流れを読めていたのはほんの一握りの人間だけである。
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