Love is blindness

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「それって、もしかして遠回しに拒否ってる?」 「違うよ。そんなこと、する訳ないじゃん」 本気で怒ってくれる彼女にホッとする。 俺って小さい男なのかも。反省しとこう。 「ごめんな」 「いいよ。説明しなかった私も悪いんだから。あのね、私、ちっちゃい頃に一度だけボートに乗ったことがあるの」 「楽しい思い出だったから、乗りたかったってこと?」 「ちょっと違うんだな。その一回はお父さんと乗ったんだけどね、誕生日もクリスマスもお正月もいらないから一緒にボートに乗ってって頼んで、ようやく叶ったお願いだったの」 「そこまでして乗りたかったのか。てか、それでもプレゼントはちゃっかり貰ったんだろ」 「わかる?」 「わかる、わかる。俺もよく、一生のお願いとか使いまくってたタイプだから」 似た者同士なのだと判明すると、彼女はえくぼを作って笑うものだから困ってしまう。 可愛すぎだ。 「それにしても、理沙のお父さんって忙しい人なんだな」 「んーん、そうじゃないの。お父さんね、カナヅチだったの」 「なるほど」 「でね、二回目のおねだりした時に言われたんだけど、ああいうのはカップル向けだから、どうしても乗りたかったらカッコいい彼氏を見つけて頼みなさいって」 「それって本当?」 「ホントだよ。信じらんないでしょ。だから、初デートは絶対ボートって昔から決めてたの」
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