エピソード Y

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あたしは自分の名前を伝えた 彼の右手はあたしの左手に重なったままだ 掴まれたままの左手に、身体がどんどん熱くなっていく 急にバクバク動きだした心臓 えっ… 何? どんどん体が熱くなる 真っ赤に広がっていく頬… また… 沢山の金魚が泳ぎだす あたしの頬はまるで金魚鉢の金魚 そんな様子を 彼はニコニコしながら 楽しそうに見ている 「・・・・・」 さっきから変だ… なんでこんなに熱いんだ… 彼の視線はあたしを熱くさせる 彼から逃れるよう 視線を下に向けた 普段見慣れない運動靴が 沢山散らばっていた。
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