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「でねっ!その人の名前がさとしって言うんだってー
さとしだよ!さとし!」
「もう!めっちゃカッコいいのー頭ポンだょ頭ポン!もう…ヤバイキュン死にするーーーーー」
あたしは足をバタバタさせ
興奮気味に話していた
友希は口をポカーンとあけ
呆気に取られている
あたしは友希の部屋にきていた
大きなくまのぬいぐるみを抱え
股ではさみ
いつもの定位置のベッドの上で
寝転びもだえていた
「もうっ!ヤバイーヤバイよー」
左側右側とくるくる回り
妄想じゃなかったと
現実だと確かめるかのように
話続けた
友希がフッと一息ついて
「とうとう恋したか」
と、何か悟ったように
ニヤニヤして話し出した
恋…?
「見てみたいな~」
続けて、あたしの顔をじっとみている
「恋なんかしてないっ!
てか、だめっダメダメ!恥ずかしすぎてもう顔みれないよー」
「でも、あみ姉ちゃんの友達なんでしょ?なら私も友達だ」
友希は得意気に
訳のわからないことを言い出した
「私もさとし見る!」
友希が立ち上がりドアをあけた
「行ってくるね~」
あたしに手を振り玄関に向かう。
ちょっちょちょっと待って!
友希に声をかけたが、もう玄関で靴をはいている
「じゃあね~」
「あたしもいく!」
とっさに声が出てしまった
時計の時刻は6時を回っていた
そろそろ母が仕事から帰ってくる時間だ
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