第1章

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「早く、クワガタ探そうぜ」 賢ちゃんは、かずちゃんがカブトムシを捕まえたのが悔しくてそそくさと山の奥に進んだ。 賢ちゃんの後を追いかけつつ虫達がいるか探していた。 時間が忘れるくらい無我夢中で探していた。 「うぉ、すげえクワガタ見つけたよ。賢ちゃん見つかった?」 「静かにしろよ、裕ちゃん。俺もクワガタ見つけたよ」 「いいな、二人とも。」 「捕まえたらどっちが大きいか見せ合いこな」 「望むところだ」 俺と賢ちゃんは、虫取り網でクワガタを捕まえた。そしてクワガタん虫かごに入れお互い見せ合った。 「裕ちゃんの方がデカイな」 「賢ちゃんもなかなか大きいよ」 「あのさ、裕ちゃんも賢ちゃんも気づいてる?」 「何が?」 「無我夢中になりすぎてもう周り真っ暗だよ」 「本当だ、ヤバイ。どうする賢ちゃん」 「どうするって、来た道戻ったらいいじゃない」 「クワガタ探すのに夢中になりすぎてどこから来たかわからないよ」
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