プロローグ

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 ふと、目を覚ました時、まだ辺りは真っ暗だった。  あれ? 夜? ここはどこだっけ?    完全に思考を持って行かれた。どんなに探っても、クエスチョン・マークしかない。  とりあえず、頭を動かしてみた。何だか少し怠い。  よろよろと体を起こしてみる。手を着くと薄いマットレスの上にいることがわかる。 手触りから、古さは感じない。もしかして新品かも?  私は慎重に考えを巡らせた。私がここにいる理由、経緯、原因。  まずは、朝からの自分の行動をトレースしてみた。  朝ごはんは、時間が無くてトーストにバター乗せ。それとミルクティー。んで、大学へ行って……? いや、今日は違う場所に行ったわよ。だって、昼ごはんは、カフェでサンドウィッチだったもの……  えっ? 私ってパン好きだったのかしら? ちゃんと白米も食べなきゃ。  そんなことより、夜ごはんは? ーー食べてないわよ!  どうりでお腹が空いているはずだ。今、何時かしら?  お腹に聞いてみると『夜中近いんじゃないの? ぎゅるうる』なーんて答えてくれた。(これが結構当たるから、不思議なのよ)  ということは……、昼の後に何かが起きたってことよね。私、何してたっけ?  あらま、どうしよう……。なんにも思い出せない。  完全に記憶、飛んじゃったわ……。
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