第二章

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「長老方、闇が産み落とされました」 高い声の男が言う。 頭をヴェールで覆い、顔を見ることはできない。 この集落の誰も、男の素顔を見た者はいない。 男は、 この村の神聖な占師であった。 「そのようですな。 本当に占師様の言う通り、この日に」 長老の一人が対照的な低い声で答えた。 「わかっていますね。為さねば、我々に、未来はありません」 占師は厳しい口調で言った。
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