第一章

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ジョン・フィリップス。 少しは名は知られていた。 およそ五年前、 金貨、銀貨を大量に発見したのだ。 その後は、 目を見張る成果は出せていない。 止めようと思うことも、 不安になることももちろんある。 それでも、 止められずにいる。 「ねぇ! ジョン! ケニーは浮上した!?」 エドガーの妻は慌てた様子だった。 ダイバーではないが、 船上でサポートをしているのだ。 ケニーは、 この船では、 最年少の二十六歳のダイバーだ。 ジョンは、 周囲を見回すが、 ケニーの姿が確かにない。 全員が海面に目を向ける。
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