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いわゆる水郷と呼ばれる土地、Yの出身だった。
祖母も、母も。
都会に居を移して数代重ねても 、その土地の女を選ぶ。
なぜかそういう風に出来ているらしい。
それでは、と年頃になれば親戚経由で見合い話が来るのだが、まとまるものでもないらしい。
本人も知らないほどの薄い血縁だった祖母と母。
薄いけれど脈々と流れる、その土地の一つの家の、
もっとたどれば一人の女性の血を呼び寄せるが如く。
偶然に、伴侶として選んできた。
きっと私も祖父や父のように、Yの女性とどこかで知り合うのだと思う。
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