第1章

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月に一度、祖母はYから石を持ち帰ってくる。 Yの水を吸った石だ。 一ヶ月たてば家の石を預け、かわりに持ち帰ってくる。 木の箱に入れられて神棚に置かれていた。 敷かれた真綿は濡れた様子もないのに、石はひんやりと湿っていた。 不思議な習慣だったが、特に害もないので健康のために良いんじゃないか程度に思っていた。 どこの家にも、外からは窺い知れない不思議の一つや二つあるのだろうから。
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