#02 * 雪将

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口説いたつもりはなかった。 ましてや告白するつもりも。 でもそれを聞いた歌子さんは、 顔を真っ赤にしてうつむいてしまった。 そして思い切ったように顔を上げて、僕をまっすぐ見た。 まずい……これは可愛すぎる。 僕の中でわずかにくすぶっていた、 申し訳程度の理性が、真っ白な何かに覆われていく。 思わずまた伸びた手が、彼女の頬に触れた。 目をパチクリさせて驚く彼女の唇を、 半ば強引に塞いでみた。 これは……
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