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沈黙。
胸の鼓動が耳まで響く。
お願いだ……
早く、早く何か言ってくれないか。
暫く中途半端にめくられたページを、食い入るように見つめた後、
彼女はこちらを振り返った。
見つめる瞳は心なしか涙ぐんでいて、
さっきほどいた髪が口元を隠す。
<…………んだね い いよ>
「歌子さんっ……」
感極まって、腕いっぱいに小さな肢体を抱きしめながら、思った。
ごめんね?
僕……
一番大事なところ、
聞き逃しちゃったよ……
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