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男子トイレの壁に手をついて、一人、僕は考える。
追いかける、べきだろうか……
追いかけても、いいのだろうか?
僕が?
歌子さんは僕の名前しか知らない。
僕も歌子さんの名前しか知らない。
あのまま、誰よりも仲のいい友達に……なれると思った僕が甘かった?
友達の作り方など分からない。
しかし恐らく、僕のせいで歌子さんに嫌な思いをさせた、のだろう……
謝らなければいけない。
僕は走って教室に戻り鞄をつかむと、窓の外を見た。
小さな背中が校門を出て、右へ……
その先は、一本道だ。
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