#02 * 雪将

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歌子さんとの出会いは、 僕の日常をガラリと変えてしまった。 一番分かりやすい変化として、まず僕は教室に行かなくなった。 毎朝いつも通り登校して、 まっすぐ西校舎3階奥の図書室へ向かう。 僕が着く頃には大抵、 歌子さんが先に来ていて、静かに本を読んでいる。 最初こそ驚いた顔をしたものの、彼女は笑顔で迎え入れてくれた。 そして授業に参加しなくても、 学校生活が充分に成り立つ事を知った。 宿題もプリントもノートも給食も…… 必要なものは学級委員が持って来てくれる。 勉強は自分でも出来るし、 歌子さんと一緒だと今まで以上にはかどった。 野郎達もここまで追ってきて、僕をどうこうする気はないらしく、 入学2年目にして初めて、この上なく平和な中学生活を送る事ができた。
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