#02 * 雪将

9/14
前へ
/14ページ
次へ
僕が儚いという表現を使ったのは、 彼女の容姿を描写する為だ。 中学2年生にして、身長130 ㎝ 。 超級ミニマムサイズの細い胴体に、これまた細くて白い手足が付く。 足のサイズは20.5。 服も靴も、揃えるのに毎回苦労するそうだ。 漆黒の長い髪は肩まで伸びて、いつも三つ編みにしている。 長いまつげが頬に影を落とす横顔は、 まるで神がこしらえた人形のごとく、 溜息が出るほどに美しい。 音もなく本のページをめくる歌子さんの隣で、 僕は無意識に手を伸ばすと、 彼女の髪をサッとほどいた。 <ちょっと なにするの> 「そうした方が、可愛いから。」
/14ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加