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僕が儚いという表現を使ったのは、
彼女の容姿を描写する為だ。
中学2年生にして、身長130 ㎝ 。
超級ミニマムサイズの細い胴体に、これまた細くて白い手足が付く。
足のサイズは20.5。
服も靴も、揃えるのに毎回苦労するそうだ。
漆黒の長い髪は肩まで伸びて、いつも三つ編みにしている。
長いまつげが頬に影を落とす横顔は、
まるで神がこしらえた人形のごとく、
溜息が出るほどに美しい。
音もなく本のページをめくる歌子さんの隣で、
僕は無意識に手を伸ばすと、
彼女の髪をサッとほどいた。
<ちょっと なにするの>
「そうした方が、可愛いから。」
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