第1章

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 ポットが10杯目にさしかかった頃、全員もう限界になり、中にはお腹がゴロゴロと大きな音を出すメンバーも出始め、言いだしっぺの上原君はギブアップの様子といった顔なのにまだ水を注いできます。  ガタッガタッ!!!  いきなり椅子を蹴るような音がし、顔色の悪いメンバーが半泣きでダッシュしていきます。それに続いて他のメンバーもダッシュ!! 私も限界だったので、みんなの行くところには察しがついていました。・・・・・・・・・・・・・・・・・・トイレです!!  私も走り出し、食堂付近にあるトイレに駆け込みましたが、個室3つが全部埋まっています。待っていると漏れそうなので、1階のトイレに駆け込んだら、さっきと同じ光景が・・。 個室が全部埋まっている・・・・・。  ゴロゴロゴロゴロッ、鳴り止まない音と腹痛、そして外に飛び出しそうな腸にある排出物を押さえるのにも我慢の限界がきていました。もう部屋のトイレしかないと考え、部屋へ全力疾走するも、部屋のトイレに鍵が掛かっている。  もうお腹が破裂してしまう。このまま死んでしまうのではないかと錯覚したほどの絶望感と痛みで意識が朦朧としていると、中から水を流す音が。 その時助かったと本気で思った。  出てきたメンバーとすれ違いに、トイレに駆け込み用をたす。助かったと心の底から思いました。  水は命の源というけど、一度大量摂取すると人間の体を貪り破壊していくのだと、そして、軽はずみな思いつきや行動で水は悪魔に変わってしまうことを私はこのとき、改めて痛感したのだった。  その後の駅伝大会は、これが理由なのか数人は力を出せず、チームは県大会下位でした。
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