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『……呼び出したのぉだぁれ?』
さっきよりも声が近い。
……お願い!見つからないで!
心臓の音が聞こえるんじゃないかというくらいドキドキしてる。わたしはさゆりちゃんの声が聞こえなくなるまで祈り続けた。
それから何分経過したのだろうか分からない。
けれどもさゆりちゃんの声は段々小さくなって聞こえなくなりテレビの雑音も消えた。
雑音が消えると同時に部屋がパッと明るくなりさゆりちゃんの気配が消えた。
……はぁ、諦めてくれたんだ。良かったぁ。
部屋の明るさも戻りわたしはホッと小さく息をついて涙を溢した。
安心して浴室から出ようとしたその時、天井からポタポタと水が垂れてきた。
えっ……。まさか……。
わたしは天井を見上げた。
「い……キャー!!」
天井には長い髪を垂らした女の子が目をギョロつかせながらニタァと口を歪ませながらわたしを見つめていた。
そして、恐ろしい言葉を放った。
『逃がさない……』
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