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風の噂で優子が入院したと聞いた。
「さゆりちゃんが来る」と病室で暴れてずっと叫んでいるらしい。
これでは恋愛どころではない。
……だから、あの時「やめなよ」って言ったのに。
「フフッ……フフフフ……アハハハハハ! バカな女!」
込み上げてくる笑いに耐えられずわたしは大笑いした。
「さゆりちゃん」という心霊遊びは恋愛成就の心霊遊びではなく呼びだした者を呪う心霊遊びだ。
どうして、わたしがそんな遊びを知っているかは内緒だが今まで何人もの邪魔者に「さゆりちゃん」は恋愛成就の心霊遊びだと教えて優子のように消してきた。
そんなに龍君が好きなら自分の力で龍君に好きになってもらえばいいのにね。
さぁ。これで残るはあと一人だ。
……待っててね。わたしの龍君。
わたしは愛する龍君の写真を大事に撫でながら、最後の邪魔者、美咲に近づく算段をたてていた。
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