38人が本棚に入れています
本棚に追加
/20ページ
元から色素の薄い顔色が、透きとおるように白いのは、療養中のせいだろうか。
シャワーを浴びたばかりらしく、濡れた髪が首筋辺りを遊び、
胸元から覗くうっすらピンクの肌が、皆人の背筋をもゾクリと震わせる。
「な、なんて格好してんだよ」
思わず赤くなったのを誤魔化すために、怒鳴るように言った。
皆人はけっしてゲイではない。
ゲイではないが、男をも怯ませる、この迫力は何だ!
「――歩くわいせつ物陳列罪」
思わず口をついた。
龍一はそんな皆人に不快そうに目をやり、
「別に来てくれと頼んだわけじゃない。勝手に押しかけてきたのはそっちだろう」
冷たく言い放ちつつも、ドアを大きく開け、皆人を部屋に招きいれてくれた。
最初のコメントを投稿しよう!