10年間の距離

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と突然、ドアが、 ――バン!―― と開いた。 そこに現れたのは、美百合? 龍一とおそろいの白いバスローブだけを着た姿で、頬を上気させて立っている。 それに少し、   ――太った? ピンク色のぷくぷくした頬に、ふっくらとした体つき。 療養中だと聞いていたのに、びっくりするぐらい健康的に見える。 襟元から覗く爆乳は、バレーボールみたいに健在だし、 裾から伸びた足も、白くむっちりと悩ましい。 それは、 ……なかなかそそる感じの眺めで。 美百合のハグオーワー系の服装しか見たことがなかった皆人は、思わずまじまじと見つめてしまった。 そんな皆人に、 「皆人くん。お願い、助けて」 美百合は一直線に駆けよってきた。 そしてまるでゴムまりのような体を、 ぼっふん と密着させる。 つい、いつもの調子で、 「おや、いらっしゃい」 抱きとめたら、 ――シャキッ! ベレッタのスライドを引く音が聞こえた。
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