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勝手に、良いように男の性格を書き換えて、妄想に浸る。
『もう我慢できないのか?』
優しく、囁いてくる。
『悪い子だ』
俺のに手を伸ばし、一緒に扱ってくる。その大きな手のひらがすごくアツくて、でも俺の自身の方がもっとアツくなっていて・・・
「ハア、ハアッ、だめ、だっ・・・い、イクっ・・・!」
とっさに体を丸ませて、欲を吐き出す。
―――びゅくっ!びゅっ!
体がビクビクと震えて、みっともなく声をあげた。
「あっああっぁぁ、はあー・・・きも、ち・・・」
足を広げて、後ろを弄る。中にはまだ入っていて、その滑りを利用して指を奥まで咥えこんだ。
「足りない、くそ・・・っ」
指じゃダメだ。ホテルの引き出しを漁る。やらしい形をした玩具を取り出し、荒々しく自分の中に突っ込む。
「は、ぁァアアア!」
突然の圧迫感に、息ができなくなる。
(でも・・・気持ちいい)
ガツガツと奥を抉るように玩具を抜き差しした。急かされるように、自分を追い詰めていく。
「あっ、アアっ、いい、気持ちいい!」
目を瞑り、自分を襲う男を思い描いた。それは・・・やはり、あの熊原そのもので、ここまでくると笑ってしまう。
(一目惚れ、してんのはどっちだよ)
自嘲するように笑いながらも、手の動きは止めない。
「あ、はあっ、あうう、もっとぉ・・・もっと、」
どうしようもなく込み上げてくるその飢餓感に、俺はひどく追い立てられながら、しばらくそうして善がり続けた。
「ミノリ~」
大学の講義室からでようとすると、友人が駆け寄ってきた。
「ミノリ!合コンしようぜ!」
「一狩りしようぜ的なノリで言うな」
「ある意味間違ってないだろ、一狩りしようぜ!」
「はあ」
俺が乗り気でないと察しつつも友人は引かない。
「なあなあなあ」
馴れ馴れしく肩を抱いてきた。睨みつけるように友人の方に視線を向ける。
「なんだよ、しつこい」
「ミノリ!この前の人紹介してくんない?」
「この前のー?」
誰だ、といいかけて口ごもる。
「あの人だよ!めっちゃイケメンの、路地で猫抱いてたあの人!」
「あー・・・」
俺は視線をさ迷わせ、言葉に迷った。
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